母乳育児の終わりは、もういいよと子どもが感じ、自然に離れていけるのが理想です。それを卒乳といいます。しかし、何らかの事情でそれを待たずに母乳を終わることがあります。それを断乳といいます。私が助産師になった頃は、1歳半健診の時に母乳を飲ませていたら、まだ飲ませているのと言われた時代でした。今は、子どもが欲しがるだけあげたらいいという自然に任せるかたちになっています。

しかし、様々な事情で断乳をしなければならない場合があり、当院でもそのケアを行っています。その場合、赤ちゃん側の準備、お母さん側の準備が必要になります。母乳を止めるまでに猶予があるなら、トラブルなく母乳を終えるために、可能な限り卒乳に近い形を取れるよう準備をします。子どもにきちんとお話をして、授乳回数を減らしていきます。昼間にお子さんと外でしっかり遊んで、気を紛らわせることから始めたら良いかな。お母さんの食事のボリュームも抑えていきます。

断乳を始めたらもう授乳はしません。しっかり張ってもうしんどいと思ったら、おにぎり搾りで圧抜きをします。おっぱいを動かしたり温めたりしないようにして、ピーク時に圧抜きを行い、3日間しっかり張らせたあとにスッキリと搾ります。この過程で母乳の生成が抑制されてくるのです。そのあとは、おっぱいの状況に合わせて、必要があれば手当てをしていきます。

とはいえども、各々の分泌状態によって、この通りにいかないこともあります。すごく分泌が良いおっぱいは、圧抜きをしていてもこの3日が難しい時がありますし、止まっていくと感じるまでに日にちがかかることもあります。大事なことは、乳腺炎にならないように手当てをしていくことです。はじめの圧抜きの時間は断乳直前の授乳間隔によって違います。また、おっぱいを終わらせるという方法をとらなくても、今感じている問題の解決策がみつかるケースもあります。

すべてをここに書くことはできません。ひとまずご相談ください。そして、一番納得のいく方法を一緒に考えていきましょう。

おっぱいの終わりの手当て